お便りまめ知識
親しい人からのうれしいお便りは受け取った人もとっても幸せな気分になるもの。多少のタブーがあっても、きっと気持ちは伝わります。
でも、せっかくの喜びの報告です。マナーにもちょっとこだわってみましょう。
基本編
縦書きと横書き
基本的にはどちらでもいいのですが、一般的に格式を重んじる場合には縦書きがよいとされているようです。
宛先は~様
「殿」は本来”相手の住んでいる御殿宛”と言う意味だそうで、少し固い印象になります。「様」を目上の人に使っても失礼にはあたりません。最近の傾向としては会社などへの役職名には「殿」氏名に宛てる場合は「様」というのが主流のようです。
筆記用具に気を付けよう
鉛筆書きは失礼にあたります。これは常識ですね!インクの色は黒、もしくは青・茶など黒っぽいもの。
誤字・脱字には注意しよう
はっきりしない漢字などは、辞書で調べたり知人に確認してから記入しよう。投函前にもう一度チェックしてみよう。(間違えやすい漢字例:土井or土居・祐子or裕子など)
メッセージをひとこと
できるだけ、自筆のメッセージをひとこと書き添えましょう。あなたの気持ちが相手に伝わるはず。ただし、あまり書き込み過ぎないことです。できるだけ簡潔に要点をまとめて書こう。特に写真をレイアウトした報告はがきには個別に文章を加えるスペースに限りがあります。一般的には裏面に書ききれない時は、表面の下1/2の範囲内なら書いてもよいとされているようです。
字配りについて
『字配り』というのは、手紙を書くときの基本的な文字の配置のことです。ちょっと難しいかもしれませんが、頑張りましょう。
行の終わりに相手を差す言葉(あなたなど)や丁寧語の冠詞の「御」「貴」(ご・お)などのつく言葉は使わない。行の頭に自分を差す言葉は使わない。「私」「こちら」など自分側を差す言葉は行の中から下にくるようにしよう。「が」「を」のような助詞、「られます」「ます」などの助動詞、「も」行の頭では避けましょう。数字・熟語・人名などの一つの単語が2行にまたがらないように。
宛名面の書き方
縦書きと横書き
基本は縦書きですが、横書きの場合も基準辺が左にくるだけで、同様と考えてよいでしょう。上の字配りにも注意して。
相手の住所
はがきの右側から書き、長い場合は区切りの良いところで、1~2行で収まるように書きます。(郵便番号は英数字で住所の番地などは漢数字で書きます。)2行にまたがる場合は2行目を少し下げるか、1行目の下と少し重なるように書き始めます。アパ-ト・ビル名などの文字の大きさは住所より少し小さく書きます。
相手の氏名
はがきの中央に住所より大きめの字で書きます。住所より一字程度下げて、下は住所より気持ち長くなるように書きます。よって、頭は右から左に向かって下がっていく形になります。連名の場合は目上の人から順に書いて、それぞれに名前より少し大きめに敬称「様」を付けます。(苗字が同じ時は名前だけでもよい)また、報告はがきではあまりないとは思いますが、企業や会社などに宛てる場合は(株)のように略字ではなく「株式会社○○」のように書くのが正式とされています。また、「○○課御中○○様」と敬称を2度付けるのは誤りです。
自分の氏名
左側に差出人の住所氏名を書く場合は宛先氏名より下で終わるように。上だと差出人の格が上位であることを意味します。
ちょっと裏ワザ!
まず宛名を書いてから住所を書きます。こうするとバランスが取りやすく、こすれ汚れも防止できます。
はがきで出す挨拶状
暑中見舞い
年賀状のような慣習は持ちませんが、日頃、あまり連絡をとってない人にそのお詫びと近況報告を兼ねて、安否伺いを立てるのが暑中見舞いです。
もともとはお盆に親や知人宅を訪ねて贈り物をするという習慣からきているようです。
暑中見舞いは7月上旬の小暑から8月上旬の立秋(8月8日)までに出すのが常識となっていますが、大暑(7月23日)前後が適当でしょう。
報告兼用はがきなら、季節感のあるかもめーるを使うのもおすすめです。「暑中お見舞い申し上げます~」と書きはじめて、2~3行のコメントだけでも構わないと思います。
残暑見舞い
立秋(8月8日)を過ぎてしまったら、暑中見舞いではなく、残暑見舞いになります。
9月上旬までなら問題ありませんが、やはり8月中に出した方がよいと思われます。「残暑お見舞い申し上げます」と書き出します。
年賀状
年賀状は年始に親戚などの家に挨拶に行く「年賀」が郵便へと移り変わったとされており、古くは平安時代にまで遡ると言われています。
親しい人やお世話になった人への近況報告や挨拶状としては欠かせないものです。年末に結婚や誕生などおめでたい報告があれば、ぜひ、年賀状を兼ねた報告はがきにしましょう。
喪中について・・・その年に親族を亡くした方からは喪中はがきが届くと思います。もともとは喪中の人が年賀のご挨拶を遠慮するという意味であり、年賀状を出すこと自体が失礼にあたるわけではありません。しかし、最近では喪中の方に年賀状を出すのは失礼だという認識を持つ方も多くなっているため、年賀状で結婚・誕生報告するのは避けた方がよいかもしれません。時期を少しズラして報告はがきとして出しましょう。
寒中見舞い
年賀状を出しそびれたときは、寒中見舞いでごあいさつをしましょう。喪中で年賀状が出せなかった人への近況報告にも用いられます。寒中見舞いは寒さが最も厳しい寒の入りから節分までの時期に、相手を思いやり励ますものだそうです。ただし、結婚や誕生の報告では、1月5日頃までに届くなら年賀状と兼用し、それ以降でも特に寒中見舞いとする必要はないでしょう。寒中見舞いについてはこちらに詳しい説明があります。